• 2012.11.23

実は隠れ美術館でもあった、人情行き交うカフェ

コーヒーはお好きですか。どんなコーヒーがお好きですか。コーヒーほど人々の嗜好の別れる飲み物もそう多くはないかもしれませんね。そういうぼくはブラックでいただきます。

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長年、国道127号線を行ったり来たりしていて、一つ、不思議に思っていたことがありました。それは富津市の南、金谷の街中の国道沿いに、どう考えても千葉県の海岸沿いの風土とは違う雰囲気の建物がありました。とても背が高くて屋根の傾斜がきつくて、明らかに本来は茅葺屋根で”雪国”の建物と思われるので、その景色だけ、なんだか別世界のように思えました。

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中に入ると天井の無い吹き抜けのような二階部分があります。よく見ると柱同士が太い綱で強固に結束され、入母屋造りになっていると思われます。ウィキペディアの『合掌造り』の項を見てみると、『旧荘川村』の入母屋造りが今でもあるようなので、もしかしたらこの合掌館はその仲間なのかもしれませんね。

高いところにある窓から注ぐ太陽の光が、屋内にふさわしい明るさを注ぎ込んでいました。

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格子の付いた窓越しから畳に明るい光が当たり、寒さを和らげてくれます。サッシやペアガラス、高気密などが主流な住宅事情の中で、このような作りの建物が230年の時を超えて今もこうして機能しているというのは、とてもすごいことですよね。

それにしても、さきほどから、部屋の中が気になりませんか? ただの広い部屋ではなく、なにかが、畳の上に置いてあります。

よーく見てみると…。

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なーんと! たくさんの絵画が飾られているではありませんか! しかも、美術品であるにもかかわらず、壁ではなく床に展示されています。とっても楽しい感覚ですね!かしこまって美術品を鑑賞するのもいいかもしれませんが、この展示の仕方は、合掌造りのこの家の優しい雰囲気にマッチしているように思います。

もちろん、絵画を引き立てるための十分な照明なんてありません。それそれの窓からの、日中の自然な明かりがあれば、それがここにある絵画を見る人の想像力、観る人の感覚を研ぎ澄まさせ、そこにある美術をより直感的に受け止められるのかもしれない、そう思いました。

それにしても、コーヒーショップを紹介したかったはずなのに、合掌造りだの、絵画の展示だのと、話がコーヒーから逸れていますよね…。

そう、何を隠そう隠さない、ここは再生された合掌造りの家で始まったカフェギャラリー『えどもんず』なのです。長年不思議に思ってきたこの”別世界”は、それまで30年間、倉庫同然だったこの建物が、多くの有志によってきれいにされて存続としているという、まさに時を超えたカフェギャラリー。

絵画の飾り方にもコーヒにもこマスターはこだわりました。とても気さくな、話しやすい方ですよ。一階にある炭火燃える囲炉裏のそばで飲むコーヒーは、とっても優しい味がしました。

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午後の優しい温もりのある光が差し込むこの場所で、マスターが炭火で煎った豆をていねいに入れてくれる一杯をいただく…。なかなかオツなものですよ。焼きバウムクーヘンとセットでいただくこともできます。

マスターが全て一人で切り盛りしているので、ご注文が済んだあとコーヒーが供されるまではぜひぜひギャラリーを鑑賞してください。もしかしたら、あなたの心を震わせる作品に出会えるかもしれません。

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マスターこと青山エドモンズさんは、こうしていつもていねいに豆を焙煎しています。ロースターマシンではなく、『ハンドロースター焙煎』。

 

もしあなたが『合掌館』のカフェギャラリー『えどもんず』の古そびた木製の引き戸を開けた時、目の前に現れるのは、火鉢に炭に火を入れ、その手でゆっくりとコーヒー豆を焙煎する、にっこり笑ったマスターの姿かもしれません(奥から出てきたらすみません(笑)。

※金・土・日・月、午前10時から日没の営業です。

 

[カフェギャラリー えどもんず]

 

(Ken)

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