• 2012.10.8

『ポンポコポンのポン♪』でお馴染みの證誠寺を訪ねた

「しょ、しょ、證誠寺、證誠寺の庭は…」の歌い出しで始まる童謡『證誠寺の狸ばやし』、きっとご存知でしょう。少し調べてみると、この『證誠寺の狸ばやし』は日本三大狸伝説の一つだそうです。

他の2つとは、群馬県の『分福茶釜』と愛媛県の『八百八狸物語』だそうです。他にも狸にまつわるお話は日本各地にあるようですね。ちなみに富津でも狸は出没し、ときどき動いている生体を目撃することがあります。

さて、この有名な『證誠寺の狸ばやし』、実は富津市民にとってはとても身近なところにその伝説の源があるのですよ。それは富津から北へ車で約30分ほどのところにある『護念山 證誠寺(ごねんざん しょうじょうじ)』です。 実在の場所だったなんてご存知でしたか?

資料によると元々このお寺のあたりはうっそうとした竹林だったそうです。妖怪に化けた狸たちがここを訪れる人々を脅かしては楽しんでいたそうです。クセが悪いですね(笑)。

現代の證誠寺はというと…。

121008shojoji01

ハイッ! 今でもうっそうとしています(笑)。この日はあいにくの雨でしたので、いつもよりも暗い感じでしたが、竹がいい感じに茂った、雰囲気のあるお寺です。目の高さからはあまり見えませんが、すぐ横には『矢那川』が流れています。この川には大きなコイが泳いでいるんですよ。

このときは『見学』に訪れたらしい他の男性が一人の他は誰もおらず、ますますひっそりとした感じでした。

121008shojoji02

こちらが詩人『野口雨情』が作詞作曲をした『證誠寺の狸ばやし』が刻まれた石碑です。雨情さんの筆跡だそうですよ。大きいですね。

石碑の前に何やら書いてある別の石がありますが何でしょう? 近づいてみると…。

121008shojoji03

なんと『狸ばやし』の楽譜が掘り込んでありました!まさにここが『ポンポコポンのポン♪』の場所であることは明白ですね(笑)。

ちなみのこちらは作曲者・中山晋平の五線譜だそうです。野口雨情さんにちなんでが似合う證誠寺、なんちゃって。

121008shojoji04證誠寺のお話が『日本三大狸伝説』なら、野口雨情さんは『童謡界の三大詩人』だということです。ちなみにほかのお二人は北原白秋西條八十さんのお二方だそうです。野口雨情さんの詳細は『野口雨情記念館』のホームページに掲載されています。

伝説によると、この證誠寺の和尚さん(5代目)に対して、狸たちは相も変わらず、一つ目小僧やろくろ首など、本当に見たら卒倒するような妖怪になって驚かそうとしたそうです。

ところが和尚さんはビクともしない、何度脅かしても知らぬ存ぜぬ。一体どうしたら驚くのでしょう…。

そこで狸たちが考えたのは、お腹を『ポンポコポンのポン♪』と叩いて叩いて叩いて驚かすというものでした。

狸たちはお腹を叩いて大きな音を立て、和尚さんを脅かしたつもりでした。でも和尚さんには楽しそうなお囃子のように聞こえたようです。

121008shojoji05

すると和尚さん、自慢のエレキ、ではなく三味線を持ちだして狸の腹太鼓に合わせて三味線を弾きまくったようですね。そのような『合戦』が三晩にも及びました。

ところが狸があまりにもムキになってお腹を叩いたせいで、なんと狸のお腹は破裂してしまったそうです。

いつものように和尚さんは楽しみに4日目の夜を迎えていたのに、一向に狸たちが出てこないので庭に出てみると、かわいそうに先頭に立って『ポンポコポンのポン♪』をしていた大狸、お腹が破れてお亡くなりになっていたそうです。

かわいそうに思った和尚さんが、その大狸を埋葬した、その埋葬場所が『狸塚』だということです。

そこには石碑があり、大きく『』と書かれています。和尚さんとの連夜に渡る腹鼓合戦をこの狸はよほど楽しんだのでしょうか。それともムキになりすぎてしまったのでしょうか。今はそれを知るよしもありません。

121008shojoji06

『負けるな 負けるな 和尚さんに負けるな』

『證誠寺の狸ばやし』は“ポンポコ合戦”で負けてしまった狸のお話だったのですね。そのお話がこの木更津に実在するものであることをこの機会にぜひ知ってほしいです。

みなさんも一度、この風情のあるお寺を訪れてみてはいかがですか。竹林の中からこっそりと、狸がこっちを見ているかもしれませんよ。

 

[護念山 證誠寺]

 

(Ken)

関連記事

ピックアップ

2013.10.17

人とまちと味に生きる「味のかん七」はかりめ丼

富津の地元の方以外ははかりめと言われても食につながるとは思わないかもしれません。長らく富津に住んでいる私でも、そ…

ページ上部へ戻る