歴史の深みがそのまま味の深みになった醤油
人によっては『なんにもないよー』と言われる富津ですが、実は、歴史的にもいろいろな特徴がある街だということをご存知でしたか? 縄文時代の遺跡が発見されたり、古墳があったり、武士の屋敷があったりと、少し調べてみるだけでも話題に事欠かないことがわかります。
人々が長く生活していたということは、そこに食の文化もあるということ。日本人には欠かすことのできない『お醤油』もそうです。実は千葉県は醤油の生産量日本一、全国の実に35%以上を生産しているそうです!
その醤油蔵のひとつがこちらの『宮醤油』。古くからのお醤油屋さんです。
入口の前にはこのような布製の看板みたいなもの(日除けのれんと言うそうです)があって、その佇まいといい、書体といい、歴史を感じさせてくれます。この後ろ側がお店になっており、小上がりみたいなところにお店の方がいらっしゃって、お醤油やお漬物を販売しています。
パンフレットによれば1834年に創業、178年にも渡りこの佐貫の地でお醤油作りをしてきたということです。1年間に一升瓶で20万本も生産しているそうです。この小さな醤油蔵からたくさんの醤油が世に出回っているんですね。
どんなお醤油が販売されているのか、ちょっと覗いてみましょう。
7種類のお醤油が並べられています。パンフレットにもお醤油は7種類あるので、おそらくこの数で合っていると思われます。しかも、味見まで出来るんですよ!
これらお醤油のほかに『こだわり仕立て つゆ』『夏柑 ぽん酢しょうゆ』もあります。この『夏柑ぽん酢しょうゆ』はなんと、南房総の夏みかんを使用しているとのことで、ぜひご賞味していただきたい一品です。美味しいですよ!
この他にお隣の久留里で作られたお味噌やもろみ漬け、富津の海苔の佃煮なども販売されており、日本の風が香るお店とも言えます。この土間から一段上がったお店の感じが、なかなかいいでしょう?
建物の古さもピカイチ。ゆえに文化庁の『登録有形文化財』に指定されています。江戸時代から続くこの建物、末永くこの佐貫の地に存続してほしいものですよね。
醤油品評会においても数々の受賞歴のある『宮醤油』のお醤油。安売りの醤油に知らず知らずのうちに甘んじて、今ではそれが当たり前になり『ホンモノ』を見失ってきたこの大量消費の時代にあって、本当に美味しいお醤油を製造し続けるこの醤油蔵『宮醤油』。ぜひ一度味わってみるのはいかがですか。電話・FAX・Eメールでも注文できるそうですよ。
[有限会社 宮醤油]
(Ken)